DEFCON 2026参加レポート|難聴うさぎさんの講演で考えた仕事のこと

仕事

DEFCON 2026に参加して

2026年9月26日、赤坂インターシティコンファレンスで開催された「DEFCON」に参加してきました。

株式会社C4Cが主催するイベントで、テーマは「デフ×IT」。

デフエンジニアリング事業部で聴覚障害のある人がエンジニアとして活躍している同社が、社会の「当たり前」をアップデートしたいという思いから企画したイベントです。

🔗DEFCONの詳しい内容については、公式サイトでも確認できます。

インフルエンサーの難聴うさぎさんも共同主催として参加し、講演やパネルディスカッションが行われました。

私がこのイベントを知ったきっかけはSNSです。

私自身、ITの知識はありませんが、『デフ×IT』ってどういうことだろう?

参加される方のお話を、ぜひ聞いてみたい!

DEFCON 2026のパンフレット

難聴うさぎさんに会いたい!

そんな思いから、参加することに。

この記事では、その時の様子をお伝えしたいと思います。

難聴うさぎさんの講演「人生は一度きり」

今回、難聴うさぎさんの講演もありました。テーマは「人生は一度きり」で、これまでの挑戦や、現在取り組んでいることについてお話しくださいました。

特に印象に残ったのが、船で世界一周旅行をしたときの話です。

旅行中、聞こえない参加者はうさぎさんだけだったそうです。それまでは口の動きを読み取ってコミュニケーションを取っていたため、手話は十分にできなかったそうです。にもかかわらず、周囲の人たちから手話ができると思われ、手話講座を行うことになったといいます。

その場には手話通訳の資格を持つ参加者もいて、「プロがいた!」と驚き、恥ずかしく感じたそうです。一方で、その後はその方と一緒に手話講座を行ったとのことでした。この経験をきっかけに、もっと手話を勉強したいと思い、帰国後は手話ラウンジに通うなど、学びを続けたそうです。

私はこの話を聞いて、難聴うさぎさんの行動力に驚きました。慣れない環境でも自分から行動し、そこでの経験を次の学びにつなげているところが印象的でした。

また、手話ができないのに、できると思われたという話には、思わず「あるある」と思ってしまいました。

私自身も職場で、手話ができると思われて何度か聞かれたことがあります。そのたびに「できません!」と伝えていたことを思い出しました。今でこそ勉強中ですが、思わず心の中で笑ってしまいました。

講演を聞いて、私も興味があることには挑戦していこうと、思いを新たにすることができました。

難聴うさぎさんによる講演の様子

LTで聞いた、AIを活用した仕事の工夫

LT(ライトニングトーク)のセッションもありました。そこで印象に残ったのが、仕事におけるAIの活用法についての発表です。

発表では、もともとは仕事の効率化のためにAIを使い始めたものの、結果として、聞こえにくさによる困りごとを補うことにもつながったというお話がありました。

例えば、会議では、聞こえにくさがあるため、その場ですぐに質問の内容を理解して回答することが難しい場合があります。そこで、あらかじめ質問されそうなことを予測し、回答を準備しておくそうです。また、会議を録音しておき、AIを活用して議事録をまとめることも行っているとのことでした。

会議が終わった後には、実際に受けた質問と事前に予測していた質問を振り返り、次の機会に生かしているそうです。こうした工夫によって、会議をよりスムーズに進められるのだと感じました。

また、会議を録音しておけば、聞き取ることだけに集中しすぎずに済むという利点もあるそうです。

さらに、会議の内容をまとめて参加者に共有すれば、聞こえる人も含め、参加者全員が後から内容を確認できます。会議の内容を記憶だけに頼らず、記録として残しておくことは、誰にとっても役立つ工夫なのだと思いました。

私は現在、パートタイムで働いており、会議に参加する機会はほとんどありません。そのため、実際に同じ方法を使う場面は今のところありませんが、AIを仕事の効率化だけでなく、聞こえにくさによる困りごとを補うためにも活用できるという点が印象に残りました。

パネルディスカッションで考えたこと

パネルディスカッションでは、「デフ×ITのこれから」や、「難題は人をどう変えるのか」といったテーマについても話がありました。

特に印象に残ったのは、聞こえない人がいることが、字幕をはじめとするIT技術の発展にもつながってきたのではないか、という視点です。

聞こえない人が情報を得たり、周囲とコミュニケーションを取ったりするために生まれた技術は、ほかの人にとっても役立つことがあります。これからさらに技術が発展すれば、聞こえ方にかかわらず、情報を得やすい環境が広がっていくかもしれません。

例えば、音声を文字に変換する技術は、聞こえにくい人が会話の内容を確認する際に役立ちます。また、音声を文字で表示したり、別の言語に翻訳したりする技術は、外国語でのコミュニケーションにも活用できる可能性があります。

こうした技術がさらに発展すれば、聞こえ方や使う言語にかかわらず、さまざまな人が情報を得たり、コミュニケーションを取ったりすることが、今よりもっとしやすくなるのではないかと感じました。

また、「難題は人の可能性を広げる」という考え方も心に残りました。

困難に直面すると、その課題を解決しようと考えたり、新しい方法を試したりします。そうしたことが、これまでになかった技術や可能性につながることもあるのだと感じました。

そして、もう一つ印象的だったのは、話の流れで出てきた「聴覚障害者」「難聴者」など、聞こえにくさに関する呼び方についてです。

聞こえ方や、聞こえにくくなった時期は人それぞれです。生まれつき聞こえにくい人もいれば、大人になってから聞こえにくくなる人もいます。また、聞こえにくさを自分自身でどう捉えているかによっても、使いたい呼び方は変わってきます。

私自身も、大人になってから聞こえにくくなった一人です。今回の話を聞いて、同じように聞こえにくさがあっても、本人がどのように受け止めているかは、それぞれ違うのだと改めて感じました。

そのため、周囲の人が呼び方を一方的に決めるのではなく、本人がどのような呼び方を希望しているかを尊重することが大切だと思います。職場でも、相手を理解しようとする際には、自分の感覚だけで判断せず、本人の希望を確認する姿勢を大切にしたいと感じました。

「何ができないか」から「何ができるか」へ

今回のパネルディスカッションを聞いて、私自身の仕事に対する考え方についても改めて考えました。

私はこれまで、何度か転職活動を経験しています。面接では、聞こえにくさがあることで難しいことや、仕事をするうえで配慮してほしいことは、事前に伝えた方がよいと考えてきました。そのため、自分にできないことについては、比較的言葉にして伝えてきたように思います。

聞こえにくさがある中で、仕事をする際にどのようなことを伝え、工夫してきたのかについては、🔗「補聴器をつけて働く私が学んだ「伝えること」の大切さ|聞こえにくさと向き合いながら働く工夫」記事でも紹介しています。

振り返ってみると、聞こえにくさがあることで仕事上どのようなことが難しいのかは、自分でも比較的整理しやすかったように思います。

一方で、自分の強みや仕事で貢献できることを言葉にするのは、意外と難しいと感じます。普段の仕事では、自分ができることを一つひとつ説明するよりも、目の前の仕事に取り組むことが多かったからかもしれません。

けれども、面接では、相手が自分の仕事ぶりをまだ知らない段階で、自分について伝える必要があります。だからこそ、面接では『聞こえにくさ』にばかり意識が向きがちですが、これまでの仕事で経験してきたことや、自分なりに工夫してきたことを振り返り、言葉にしておくことも大切なのだと思いました。

今回のパネルディスカッションでは、実際に会社を経営しているCEOの方から、一緒に働くことを考える企業側の視点についての話がありました。

話を聞いて、企業側も、できないことだけでなく、その人が何をできるのか、どのような価値を生み出せるのか、そして、それをどう伸ばしていけるのかという視点を持っているのだと感じました。

完璧な人はいないからこそ、自分に何ができるのかを伝えることが大切だ、という趣旨のお話が印象に残りました。

聞こえにくさがある場合、仕事で困ることや必要な配慮を伝えるのは大切です。ただ、それだけでなく、自分にできることや、仕事を通して貢献できることも、相手に伝えていく必要があるのだと感じました。

これまで考えてきたことを否定するのではなく、そこにもう一つの視点が加わったような感覚です。

「何ができないか」を伝えることと、「何ができるか」を言葉で伝えること。その両方を意識することが、働くうえで大切なのだと改めて考えるきっかけになりました。

DEFCONで考えた、聞こえにくさと仕事

今回、DEFCONに参加して、「デフ×IT」というテーマから、聞こえにくさと技術の関わりについて考えることができました。

また、難聴うさぎさんの講演やパネルディスカッションを通して、自分にできることについて考えるきっかけになりました。

私はITについて詳しいわけではありませんが、今回のイベントを通して、IT技術が聞こえにくさによる困りごとを減らす可能性について、改めて考えることができました。

そして、仕事においても、できないことや必要な配慮を伝えるだけでなく、自分にできることや強みを伝えることも意識していきたいです。

今回のDEFCONでは、聞こえにくい人がITの分野で働くことや、聞こえ方の違いにかかわらず、さまざまな人が一緒に働くことについて考えることができました。

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