※この記事は筆者個人の体験に基づいて執筆しています。
身体障害者手帳の認定基準や利用できる制度は、障害の状態や自治体によって異なる場合があります。
また、制度内容は変更されることがありますので、申請や利用を検討される際は、自治体や医療機関、公式サイトで最新情報をご確認ください。
身体障害者手帳とは
身体障害者手帳は、身体の機能に一定以上の障害があると認定された方に交付される手帳です。手帳を取得することで、各種福祉サービスや助成制度、施設利用時の割引などを受けられる場合があります。
聴覚障害の場合も、一定の認定基準を満たすことで身体障害者手帳の交付対象となることがあります。
利用できる制度やサービスは障害の内容や等級、自治体によって異なります。詳しくは自治体や厚生労働省の公式サイトをご確認ください。
手帳を取得した背景
私は大人になってから徐々に聞こえにくさが進み、中途難聴として生活するようになりました。
同じように、大人になってから聴覚障害や補聴器生活と向き合っている方もいるのではないでしょうか。
今年に入って、身体障害者手帳を取得しました。
昨年末、近所のかかりつけの耳鼻科、補聴器店の担当の方に障害者手帳の取得を勧められました。
補聴器店では定期的に聴力検査を受けており、かかりつけの耳鼻科でも検査を行ったことがありました。
その際、聴力検査の結果が、身体障害者手帳の申請対象となる可能性がある水準だと説明を受けました。
特に補聴器店では早めの申請を進められました。理由としては、補聴器を買い替える時に購入代を補助してもらえるからでした。
補聴器は機械なのでこわれてしまうこともあります。そして、使用耐用年数は5年程度だそうです。
補聴器生活については以下の記事でも詳しく書いています。
現在使用している補聴器も約5年が経過しており、そろそろ買い替えや故障への備えも必要な時期でした。定期的にメンテナンスしていますが、準備は必要です。
そして、申請には時間がかかるため早めがいいということだったのです。
身体障害者手帳の申請の流れ
私の場合は以下の流れで申請を行いました。
- 区役所の福祉担当窓口で申請書類を受け取る
- 指定医に意見書を作成してもらう
- 必要書類を自治体へ提出する
- 審査後に手帳を受け取る
カードタイプを選択した私は、申請から交付まで約2か月かかりました。
なお、申請を検討している方は、申請方法や認定基準等詳しくは自治体や厚生労働省の公式サイトをご確認ください。また申請にあたっては、かかりつけ医の医師と相談されることをお勧めします。
手帳取得時の率直な気持ち
手帳取得を勧められた時、抵抗はなかったの?と思う方もいるかもしれません。
私の率直な感想としては、抵抗はなく「やっとか」と思う気持ちの割合の方が大きかったです。
補聴器使用歴10年以上です。前記したように、手帳があると補助が出ます。無い場合は、実費で購入する必要があります。安くはありません。日常生活に欠かせないのですが、やはりお金につては常に考えないといけない問題でした。
繰り返しの手術の影響もあり、65〜70dB程度の聴力の状態が約5年続いていました。
なので、補聴器のことを考えると手帳があればと思っていたのが本音です。
補聴器は生活に欠かせないものだからこそ、費用面について考える機会は今でも少なくありません。
とはいうものの、複雑な気持ちが無かったわけではありません。そんな気持ちを払拭してくれたのが、同じように聞こえにくい仲間の存在です。皆の笑顔が、前進するための背中を押してくれました。
身体障害者手帳で利用できるサービス
身体障害者手帳を取得すると、さまざまなサービスを利用できる場合があります。
利用できる内容は自治体や施設によって異なるため、事前に確認しておくと安心です。
詳しくは、お住まいの区役所・市役所で聞いてみて下さい。
ミライロID
ミライロIDを知っていますか?
私が最初に登録したのはミライロIDでした。
ミライロIDはデジタル障害者手帳アプリです。身体障害者手帳をスマートフォン上で提示できるため、外出時の負担を減らせるサービスとして利用されています。
メールアドレスなどの基本情報を登録し、障害者手帳の情報を申請すると利用できます。
反映まで数日かかりましたが、登録後はスマートフォンだけで手帳を提示できるようになりました。
初めは「毎回手帳を持ち歩かなければいけないのかな」と思っていました。
そんな私に家族が調べて教えてくれたのが、ミライロIDでした。色々な情報も閲覧することが出来る、とても便利なサービスでした。
様々なところで使うことが出来ます。次で、実際にミライロIDを使ってみた際の様子をお伝えします。
設定方法や対応施設については公式サイトをご確認ください。

映画館で使ってみた
TOHOシネマズさんに見に行く際に、利用してみました。
チケットはインターネットで購入しました。今までも、見に行く際は買っていましたが、今回はいつもと違う「障害者」欄を選択。
その後はいつもと同じ、支払いをして購入完了しました。
その時点で、その他の詳しい案内はなかったので、当日までドキドキでした。
「手帳はいつ見せればいいのかな?」と思いながら映画館へ。窓口かな?思いつつ聞いてみることに。
結果は、窓口購入の列に並ぶ必要はありませんでした。手帳の確認のタイミングは館内に入る際の入り口の部分でした。
緊張しながら、列へ。最初に聞いた通り、中に入る際、スタッフの方に証明書の提示を求められました。スマートフォンで登録ほやほやのミライロIDを開いて提示しました。
私よりも若いと思われるスタッフのかたは「はい、ありがとうございます!どうぞ!」と通してくださいました。
きちんと通れた、安堵と嬉しさがありました。
なにより、いやな顔もせずさわやかに気持ちよく対応してもらえたことに嬉しく思いました。心がほんわかした日になりました。
映画の鑑賞については、補聴器を外して見るかたもいるようです。それは、もともと音が大きい為人によっては音を拾いすぎてうるさく感じるようです。私の場合は、映画は補聴器をしたまま見ています。そして今回は、洋画を見たため字幕を選択しました。
聞こえにくい人は楽しむために、文字情報があると助かります。洋画は字幕があり、多くの場所で見ることが出来るのが嬉しいポイントです。
動物園で使ってみた

埼玉こども自然動物公園で利用してみました。
埼玉県東松山市にある動物園です。オーストラリアに棲息する動物たちもいるので会いに行くことに。
事前にホームページで調べたところ、「障害者割引あり」「駐車場の料金も同乗者に対象者がいる場合は割引あり」となっていました。
都内から車を借りて走らせこと、1時間半ほど。無事に到着し、チケットカウンターへ、「入口で見せて下さい」と案内されました。
そして、入場です。ここでも「ミライロID」でスムーズに入ることができました。
その際、駐車場の割引券もいただきました。グループの中に手帳を持っている人がいる場合、適応してもらうことが出来ます。割引券は、レシートタイプでORコードが載っていました。なくさないよう要注意です。帰る際、料金精算機車のナンバーを入力し、かざせば完了です。
尚、車関連については各種ページで調べてみて下さい。
こちらの動物園に行ったのは2度目です。一番のお目当ては日本ではここにしかいない、世界一幸せな動物と「クオッカ」に会いに行くことでした。
他にもコアラなど、多くの生き物に癒されました。
ペンギンエリアに行った際、タイミングよく餌やりを見ることが出来ました。飼育員さんが餌をあげながら解説してくれました。人も多くいて、屋外だったこともありマイクを使用していても音が、広がっていました。補聴器でも聞き取れない部分もありました。
考えてみると、人も多い・場所が広いこの二つがあるため、動物園・水族館の解説は聞こえにくい人にとっては、少し難しさを感じやすい場面かもしれません。
楽しく生き物について学べることが出来る工夫があればいいなと感じました。
美術館で使ってみた
東京藝術大学美術館で利用してみました。
現在、開催中ですが「NHK日曜美術館50周年展」を見たく行ってきました。
まずは、チケットをもらうと思い窓口へ。こちらでも「ミライロID」を提示しました。しかし、埼玉の動物園と同じく、チケットの発券はなく窓口で見せて下さい。とのことでした。入口で見せてスムーズに入場することが出来ました。
美術館に行くのが好きです。そして、知らなかった画家に出会うのも楽しみの一つです。そんな中、今回初めて知った画家のひとりが松本竣介でした。中途難聴の画家であることを知り、親近感を覚えました。
以前の記事で演劇をしていたことは書きましたが、実は高校までは絵(油は小学校
5年生~)をやっていました。美術館が好きなものそれが理由の一つです。
たまたま小さい子の習い事として始めた絵の教室。その後、美術部で描いてきました。私自身、耳の手術をすることになった時など心の中のもやもやはすべてキャンバスにぶつけていました。描くことに夢中になっているそんな時間が大切だったのかもしれません。そんなことを思いだす時間となりました。
松本竣介もそうだったのかな?勝手に思いをはせていました。
ぜひ、回顧展等が近隣である時は訪れたいと思います。
大川美術館に多くの作品が所蔵されていることを知りました。機会があれば私も訪れてみたいと思っています。
身体障害者手帳を取得して感じた変化
正直なところ、手帳を取得したからといって聞こえ方が変わるわけではありません。
聞き取りにくさや生活上の困りごとがなくなるわけでもありません。
それでも、気持ちの面では大きな変化がありました。
これまでは補聴器の買い替えや修理が必要になるたびに、費用面への不安がありました。
改めて、必要な時に相談できる窓口や支援を知ることが出来、これからの生活について安心が増えました。
特に、私の場合は手帳を取得するまで障害福祉サービスを利用する機会がほとんどありませんでした。そのため、制度の存在は知っていても、どこか自分とは少し距離のあるもののように感じていました。
そこから、障害福祉制度を身近に感じるようになったことも大きな変化です。
実際に利用して感じた3つのこと
・ミライロIDは大変便利
障害者手帳の持ち歩きについて次の心配がありました。外出のたびに忘れないように気を付ける必要があります。タイプの場合は雨の日などは濡れたり汚れたりしないかも気になります。そして、大切なものなので落として無くしたら大変です。
私自身、今回訪れた映画館や動物園、美術館ではミライロIDで問題なく利用することができました。
初めて使う時は「本当にスマホの画面だけで大丈夫かな」と少し緊張しましたが、実際にはスタッフの方も慣れている様子でした。今では外出時の安心材料のひとつになっています。
・どこも快く対応してくれる
今回訪れた施設では、どのスタッフの方も丁寧に対応してくださいました。必要な確認はありましたが、特別な説明を求められることもなく、自然なやり取りで利用することができました。
必要な確認をして、普通に案内してもらえる。その当たり前の対応がとてもありがたく感じました。
聞こえにくさがあると、初めて利用する制度や施設に戸惑うこともあります。今回の経験を通じて、必要な配慮を受けながら安心して利用できる環境が広がっていることを実感しました。
・「使っていいんだ」と思えるようになった
もうひとつ感じたのは、「利用できる制度は利用していいんだ」ということです。
以前の私は、障害者手帳に対して、イメージが湧かなかったこともあり、本当に使っていいのだろうかという気持ちがどこかにありました。
割引を受けることそのものよりも、「外に出てみよう」「映画を見に行こう」「美術館に行こう」という気持ちのさらなる後押しになったことの方が大きかったように思います。
これからも、必要な場面では無理をせず制度を活用しながら、色々な場所へ出かけてみたいと思います。
まとめ
中途難聴になってから、聞こえにくさとの付き合い方は少しずつ変わってきました。
補聴器を使うこと、必要な支援制度を知ること、そして同じような経験を持つ人たちの存在を知ること。それぞれが今の生活を支える大切な要素になっています。
身体障害者手帳も、その一つだと感じています。
今回、身体障害者手帳を取得してから映画館や動物園、美術館などで実際に利用してみました。
手帳を取得したことで、これまで知らなかった制度やサービスに触れる機会が増えました。
もし現在、聞こえにくさがあり、身体障害者手帳の取得を勧められている方がいるなら、一度主治医や自治体へ相談してみてください。
この記事は私個人の体験に基づいています。制度内容や認定基準、利用条件は変更される場合がありますので、最新情報は自治体や公式サイトをご確認ください。
この記事が、これから身体障害者手帳の取得を考えている方や、取得後の利用について知りたい方の参考になれば幸いです。
私自身も補聴器を使用しながら生活しています。
また、同じように大人になってから聞こえにくさと向き合っている方の参考になれば嬉しいです。
今後も、中途難聴や聞こえにくさに関すること、手帳取得後の生活や利用体験についても、今後少しずつ発信していきたいと思います。
行政・公式サイト
制度の詳細や最新情報は、以下の公式サイトをご確認ください。
・厚生労働省 身体障害者手帳について
・厚生労働省 障害者手帳制度について
・東京都福祉局 身体障害者手帳について

※制度内容は変更される場合があります。必ず最新情報をご確認ください。


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