現在、私は両耳に補聴器を装用しています。
この記事では、私が初めて補聴器を購入したときの体験と、そのとき感じた迷いや気づきについてお話しします。
「補聴器っていつから必要なの?」
「まだ使うほどではない気がする」
「相談したいけれど勇気が出ない」
そんなふうに悩んでいる方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。
大学4年生、補聴器を意識し始めたきっかけ
私が補聴器を使い始めたのは、大学4年生のときでした。
それまでも聞こえにくさは感じていましたが、授業では前の席に座れば大きな問題はありませんでした。しかし、就職活動やアルバイトを通して状況が変わります。
当時、私はレジのアルバイトをしていました。
店内では、お客様の声、スタッフ同士の会話、BGM、機械音など、さまざまな音が同時に飛び交います。
その環境の中で、私は次第にこう感じるようになりました。
- 声を聞き返す回数が増える
- 後ろから呼ばれても気づかない
- 周囲の音が混ざって言葉が分からない
授業では対応できていた聞こえ方が、「仕事」という場面では通用しなくなっていたのです。
大学病院での相談と、突然告げられた一言
私は過去に耳の手術を受けており、大学病院へ定期的に通院していました(現在も病院は変わりましたが通院を続けています)。
ある日、意を決して「聞こえ方」について相談してみることにしました。
すると医師から、予想外にあっさりとこう言われました。
「うん。あなたは補聴器が必要なレベルだよ。」
その瞬間、正直な気持ちは驚きでした。
――なぜ、それをもっと早く教えてくれなかったのだろう。
心の中でそう叫んだことを、今でも覚えています。
もちろん医療には判断のタイミングがありますが、当時の私は少しモヤモヤした気持ちを抱えました。
そそて現在、手話を一緒に勉強している方たちに聞いてみても、
「先生に自分から言ったよ」
と話してくださる現役世代の方が多くいました。
今も昔も、状況はあまり変わらないのかもしれません。それが少し寂しい気持ちになります。
補聴器が推奨される基準
当時の聴力は50〜60㏈くらいだったと思います。
世界保健機関(WHO)では、40dB以上になると日常会話の聞き取りに支障が出る可能性があり、補聴器の使用を検討することが推奨されています。
実はこの情報を知ったのは、補聴器を使い始めてからずっと後のことでした。
「もっと早く知っていれば、悩む時間が減ったかもしれない」
そう感じた経験から、情報を知ることの大切さを実感しています。
東京都中途失聴・難聴者協会のサイトには、わかりやすい表が掲載されています。
気になる方はぜひチェックしてみてください。
補聴器の話題を自分から出す難しさ
補聴器について相談するのは、想像以上に勇気がいります。
- まだ大丈夫かもしれない
- 補聴器に抵抗がある
- 何を質問すればいいか分からない
私自身も、同じ気持ちを抱えていました。
聞こえにくさは目に見えないため、「困っている」と言葉にすること自体が難しいのです。
日常生活の具体例が、相談のヒントになる
個人的に感じているのは、医療現場で「生活の中の聞こえ」をもっと具体的に確認してもらえると助かるということです。
例えば、こんな質問です。
- テレビの音量はどれくらい?
- 救急車のサイレンは聞こえる?
- 電車の車内アナウンスは理解できる?
- 雨音や環境音は感じられる?
こうした質問があると、自分の困りごとを整理しやすくなります。そして医師に伝えやすくなります。
「聞こえているかどうか」ではなく、
「生活に困っているかどうか」が重要なのだと、後から気づきました。
初めての補聴器選びは分からないことだらけ
補聴器が必要だと分かっても、次にぶつかったのは別の壁でした。
「どのメーカーがいいのか分からない」
当時の私は、補聴器に関する知識がほとんどありませんでした。
結局、病院と提携していた補聴器メーカーを紹介してもらい、そのまま購入することになります。
今振り返ると、
- 調整(フィッティング)の重要性
- 生活スタイルとの相性
など、知っておきたかったことはたくさんあります。
しかし同時に、「まず使い始めること」が大きな一歩だったとも感じています。
補聴器生活のスタート
こうして、私の補聴器生活は始まりました。
最初は違和感もあり、音の聞こえ方に戸惑うことも多くありましたが、少しずつ「聞こえる世界」に慣れていきました。
補聴器は、単に音を大きくする道具ではありません。
生活との付き合い方を変えていく存在だと思っています。
もし今、
- 聞こえにくさを感じている
- 補聴器を勧められて迷っている
- 相談するか悩んでいる
そんな状況にいる方がいたら、まずは「日常生活で困っていること」を整理してみてください。
それが、次の一歩につながるはずです。
まとめ
私自身、補聴器を使い始めるのに「もっと早く相談してもよかった」と感じています。
補聴器は特別なものではなく、生活を助ける選択肢のひとつです。
この記事が、誰かにとって
「相談してみようかな」
と思えるきっかけになれば幸いです。
補聴器についてのお話は、まだまだ続きます。
これからも実体験をもとに、少しずつ発信していきたいと思います。
※本記事は筆者の体験に基づく内容です。
症状や治療に関しては個人差がありますので、気になる場合は医療機関へご相談ください。


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