社会福祉法人 聴力障害者情報文化センターで行われているヨガ教室に参加した時のお話をしたいと思います。こちらでは月に一度ヨガ教室が開催されており、体を動かすのが比較的嫌いではない私は以前ジム通いをしていたこともあって、「せっかくなら挑戦してみよう」と思い立ち、参加することにしました。実際に体験してみると、思いがけない発見がたくさんありました。
ヨガには下を向くポーズをはじめ、体を大きく使うものから静かに呼吸を意識するものまで、さまざまな動きがあります。教室では施設の方が一つ一つの動きを手話で丁寧に説明してくださいました。その時は手話はまだ勉強していなったのですが、なんだか安心感がありました。特に驚いたのは「呼吸の指示」の工夫です。ヨガでは呼吸がとても大切ですが、スタッフ方はなんと“うちわ”に呼吸の合図を書いて持ち歩き、参加者全員に見せながら部屋の中を回ってくださったのです。これは本当に目から鱗でした。聴力に関係なく、とにかくわかりやすい工夫で、誰もが安心して参加できる環境になっていると感じました。
聞こえにくさがあると、どうしても集団で一斉に体を動かすことに難しさを感じることがあります。ジムのスタジオレッスンもその一つです。インストラクターの方が前で声を出しながら動きを見せてくれるのですが、マイクを通した音声は補聴器をつけていても聞き取りにくいことが多いのです。私は以前ダンスクラスに参加した経験がありますが、指示を聞き取れずに周囲の人の動きを頼りにした結果、どうしてもテンポが遅れてしまうことがありました。もちろん「健康のために体を動かす」ことが目的なので気にする必要性はそこまでないのですが、今回のヨガ教室を体験してみて、ほんの少しの工夫があるだけで運動がもっと楽しく、安心してできるのだと改めて実感しました。
このヨガ教室は月に一度、平日に予約制で開催されています。仕事をしていると毎回参加するのは少し難しいのですが、機会があればぜひまた参加したいと思っています。ご興味のある方も、一度体験してみることをおすすめします。きっと新しい発見があるはずです。
そして今年は特別な年でもあります。2025年11月15日から26日まで、デフリンピックが初めて日本で開催されます。ありがたいことに、私はその大会でボランティアスタッフの一人として参加させていただくことになりました。これまでの私の経験はジムやヨガ教室といった身近な運動が中心でしたが、デフリンピックを通しては「スポーツと聞こえにくさ」の関わり、そしてその中で工夫されていることを直に感じられるのではないかと今から楽しみにしています。さらに多くの人との出会いや交流も待っていると思うと、わくわくした気持ちでいっぱいです。
今後は、デフリンピックに関する情報や体験も少しずつブログで発信していきたいと思います。どうぞ楽しみにしていてください。
  
  
  
  

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